【アスベスト調査の費用】調べて分かった相場と低コストに抑える方法とは?

アスベスト調査の費用相場

「アスベスト調査にかかる費用ってどのくらいなんだろう?」

「何によって費用は変わるの?」

そんな疑問を抱いている方に向けて、この記事を書きました。

自分の大切な物件がアスベストを含んでいるかもしれないと思うと心配ですよね。

また、建設や解体の仕事をされている方なら、予め費用を知っておくことで、スムーズな計画が立てられるでしょう。

ここではアスベストの調査にかかる費用やコストの抑え方など、分かりやすく説明します。初めてアスベスト調査のことを知る方でもわかるよう、調査の手順、費用を左右するポイント、信頼できる調査会社の見つけ方まで、シンプルに解説します。

この記事で分かること
1. アスベスト調査の費用相場とその内訳
2. 調査コストを抑える有効な方法と補助金の活用
3. 適切なアスベスト調査業者の選び方やそのポイント

目次

なぜアスベストの事前調査が必要なのか

そもそもなぜ、建築物の解体や改修の際にアスベスト調査をしなければいけないのでしょうか。

それはアスベストが含まれる建材を除去したりや修整したりする際には、知らず知らずのうちに繊維が空気中に放出され、労働者や近隣住民がそれを吸い込む危険があるためです。

高い耐火性と断熱性により、様々な建築物に広く使用されてきたアスベストですが、その微細な繊維が呼吸器に入り込むと体内に蓄積され、石綿肺や肺がん、悪性中皮腫といった深刻な健康問題を引き起こす可能性があることがわかっています。

だからこそ、適切な調査を行い、建物にアスベストが含まれているかどうかを明らかにすることは、人々の健康を維持し、安全を確保するために重要なのです。

一般的にアスベストは比較的古い建物、特に築20年を超えるような建物で使用されている可能性が高いと言われていますが、実のところその有無は築年数で完全に判別することはできず、専門家による綿密な調査と分析によってのみ明らかにすることができるのです。

また、近年のアスベスト関連法の改正により、さらにその管理が厳格化されたため、複雑な制度を適切に理解し、アスベストを安全に取り扱うことが求められているのです。

事前調査がいつから義務化されたのかは次の記事で詳しく解説しています!

アスベスト調査の費用相場

アスベストの調査費用は1現場あたり10〜100万円が相場と言われています。

事前調査や分析調査は、解体工事を行う業者が行う場合や、アスベスト調査専門の機関に依頼して行われることが多いです。 そのため調査や分析にかかる費用は、最終的な解体工事の見積りに計上されるという形となります。

またアスベスト調査と言っても、そのプロセスはいくつかの段階に分かれているうえ、調査を行う建物の規模や状態、建材におけるアスベストの含有量、調査の依頼先などによって異なります。そのため、上記の相場はあくまでも参考程度にすぎません。以下では、これらの費用の内訳についてより詳しくまとめています。

調査の基本費用と内訳

ここではアスベスト事前調査の費用相場についてより詳しく解説していきます。

まず、アスベストの事前調査は、大きく書面及び現地調査と分析調査の2つに分けられます。

書面及び現地調査では、調査対象となる建築物にアスベストを含有している可能性が高い建材が使われているのかを関連する書類や関係者へのヒアリングを行い、現地での目視調査等で可能性の高いものをリストアップします。

一方、分析調査とは、建築物に使用されている建材に実際アスベストが含有されているか否かを調べる作業です。

つまり、アスベスト事前調査は上の2種類に分けられ、それぞれに費用がかかってくるのです。

費用相場やその内訳は一般的に建築物の規模や状態、委託先の調査会社によって異なるため一概には言えませんが、以下を参考にするのが良いでしょう。

書面及び現地調査の費用相場

書面による調査が1現場あたり2〜3万円、調査員が現地に赴き目視で行う現地調査が1現場あたり2〜5万円程度かかります。また、サンプリングや報告書の作成にも費用が発生する場合があります。

内訳費用相場
書面調査約2〜3万円/1検体あたり
現地調査約2〜5万円/1検体あたり
サンプリング採取5,000円前後/1箇所あたり
報告書作成ケースによります
書面及び現地調査の費用相場

上記以外にも調査員が現地に赴く際の交通費等も別途かかる場合があるため、見積もりの際は注意が必要です。

分析調査の費用相場

分析手法費用相場
定性分析約3〜6万円/1検体あたり
定量分析(X先回折分析法)約3〜6万円/1検体あたり
定性分析+定量分析約4〜15万円/1検体あたり
分析調査の費用相場

定性分析では偏光顕微鏡法や位相差・分散顕微鏡による分散染色法とX線回折分析方法の組合わせ等でアスベストの含有量を量ります。定性分析でアスベストが使用されていると判明した場合、具体的な使用率を定量法で算出します。

具体的な見積もりの例

ケース1 木造一戸建ての住宅

床面積:100m^2
検体数:2〜6検体
見積もり金額:約10〜30万円

ケース2 鉄筋造5階建てアパート

床面積:200m^2
検体数:20〜35検体
見積もり金額:約70〜150万円

アスベスト調査の費用って誰が払うの?

アスベストの調査費用については様々なケースが考えれられますが、建物の所有者が負担するのが一般的です。しかし、場合によっては他の関係者が費用を負担することもあります。

具体的な例を見てみましょう。

例えば、ある企業が自社のオフィスビルの改装を計画しています。ビルは古く、アスベストが使用されている可能性があります。この場合、ビルの所有者である企業がアスベスト調査の費用を負担するのが一般的です。

一方で、テナントが運営する店舗が、アスベストを含む可能性のある旧ビルに位置しています。店舗運営者は、店舗の改装を予定していますが、それに先立ってアスベスト調査が必要となったというケースの場合、テナントがアスベスト調査費用を負担することがあります。

こうした状況では、部分的または全費用の負担が物件の所有者やテナント、あるいはその他の関係者に移る場合があります。そのため、誰が費用を負担するべきかは、各ケースにおける契約内容や立場によりまちまちです。

必ずしも所有者が全ての費用を負担しなければならないとは限らず、場合によっては所有者とテナントの間で費用を分担するなどの合意があるかもしれません。

調査費用を抑える2つの方法

調査費用を抑えるための方法として、補助金の活用と適切な業者選びの2つを紹介します。

1. 補助金の活用

地方自治体によっては、アスベスト調査や除去にかかる費用を補助する制度があります。これらはより安全な生活環境を推進するためのもので、自治体が設けている条例や要件に符合すれば、活用することが可能です。

例えば、東京都では「東京都アスベスト補助制度」が設けられており、一定の条件を満たす事業者がアスベスト調査や除去を行う場合は、その費用の一部が補助されます。

東京都都市整備局:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/asbestos/taisaku.html

2. 適切な業者選び

アスベスト調査費用を抑えるもう一つの方法は、適切な業者選びです。価格だけでなく、業者の信頼性や実績、使用する機器の質等も考慮することで、後々の追加費用を防ぐことができます。

アスベスト調査を行う業者の選び方

ここまで読んでいいただいた方にはお気づきかと思いますが、アスベストの調査の費用は非常に複雑で分かりづらいです。

業者の中にはこうした複雑なシステムを逆手に取って、法外な価格で調査を行っているところもあるため、適切な業者選びは、コストを抑えるだけでなく、質の高いアスベスト調査を行うためにも重要なのです。

業者選びのポイント

そこで、調査会社選びに失敗しないための選び方のポイントを3つ紹介します。

  • 調査費用が前もってわかり、後から追加料金が請求されない
  • 日本環境測定分析協会等の正会員である
  • 公的機関に受理された報告書の作成実績がある

1. 調査費用が前もってわかり、後から追加料金が請求されない

業者が明確な料金設定を持っていることは、その業者が信頼性と透明性を持っていることを示しています。

公式サイトで料金表が明記されていない、見積もりの際に具体的な内訳が提示されずはぐらかされるような場合は、予想外の費用が発生して初期予算を大幅に超える危険性があることを重々理解しておく必要があります。

またアスベスト調査は適正価格がわかりづらいため、しっかり複数業者の相見積もりを取ることが最善策となるでしょう。

2. 公的機関に受理された報告書の作成実績がある

報告書の制作実績があるということは、業者が調査結果を詳細にまとめ、それを理解しやすい形で顧客に提供できる能力を持っていることを証明します。なぜなら、適切な報告書が提供されない場合、調査の結果が不明瞭であったり、どの部分にアスベストが存在するか、どの程度のリスクがあるかが十分に理解できない可能性があります。これは結果的に、アスベスト除去計画が不適切になる可能性があり、改修や解体の際にアスベストを安全に取り扱うための対策が不十分になり、健康リスクにつながる可能性があります。

3. 「建築物石綿含有建材調査者」の有資格者がいる

2023年の改正法により、アスベスト調査には「アスベスト診断士」や「建築物石綿含有建材調査者」の資格を有する者の立会が必須となりました。そのため依頼しようとしている会社がこうした改正法に準拠しており、調査を行える有資格者がいるかどうかも信頼できる証となります。これを見極めるときに参考となるのが、(一社)日本環境測定分析協会や(一社)日本アスベスト調査診断協会などが公開している認定機関リストです。

このリストに記載されている会社は、アスベストの分析技術、分析精度に関して一定の評価があり、信頼のおけるアスベスト分析機関である可能性が高いです。

アスベスト調査に必要な資格については以下の記事で詳しく解説しています!

以上の3つのポイントは、信頼できるアスベスト調査業者を選ぶ際の基準です。適切な業者選びは、アスベスト調査の正確性を確保し、安全にアスベストを取り扱うための不可欠なステップです。

石綿の調査・分析はアスベストナビにお任せ!

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まずはアスベストナビへご相談ください!

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この記事の執筆者

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アスベストナビ編集部

アスベストナビ代表。アスベストについての総合情報をまとめたポータルサイト「アスベストナビ」を運営している。アスベストの健康被害から法制度の改正まで、幅広い知見を提供する。

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